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2015.02.14 (Sat)

Hotel moonside考察

速水奏CDデビュー曲に隠された謎を追え!

 ――というわけで考察でございます。ただのキャラソンだし過去のことやPとの関係をほのめかす程度だろうと油断していたらこの有り様ですよ。しっかりと謎解き要素を残して下さいました。ありがとうちっひ様、日本コロムビア様。
 考察にあたり、星座やら神話やらの解説をずらっと並べても退屈かと思いますので、架空の登場人物による問答形式にしました。では、どうぞ。

※Warning!!※
長いです。約9000文字あります。
読み切るための相応の覚悟と、十分な時間と、寛大な心をご用意下さい。

      *      *      *

【More】

■ロンリとシンリ

龍吏「龍吏探偵事務所、所長のロンリです」
真利「助手のシンリです」
龍吏「~~♪」
真利「さっきからなに聴いてるんです?」
龍吏「〈Hotel Moonside〉だ。知らないのか」
真利「はい(ラブホの名前……?)」
龍吏「これはな速水奏という現世に舞い降りた大天使が歌っていてああ速水奏っていうのは
   アイドルマスターシンデレラガールズっていうソーシャルゲームに登場するキャラクター
   なんだが積極的にPを誘惑するタイプで、でもその心の奥底には深い悲しみと
   愛への憧れを持っており――」
真利「……(ああ、変なスイッチ押しちゃった)」

………………。

龍吏「――というわけだ。お前も聴いてみろ、ほら」
真利「んー、じゃあちょっとだけ」
真利「~~♪ へぇ~キャラソンとは思えない出来ですね。なかなかいい」
龍吏「微妙に上から目線なのが気になるが、まあいいか。歌詞がまた探偵心をくすぐるんだ」
真利「はあ……歌詞カード見せてもらっていいですか」
龍吏「(スッ)」
真利「どうも」
真利「……〈アリバイ〉〈手錠〉〈流れ星〉? 何を言っているのかさっぱり分からない」
龍吏「なんだと」
龍吏「お前はそれでも探偵助手か。推理しようとは思わないのか」
真利「うーん、まあ少しは気になりますけど」
龍吏「よし分かったじゃあ推理をはじめようまずはこのセリフについてだが――」
真利「まって」
龍吏「――奏が男女関係に憧れている描写であり、これから二人は仁奈ちゃんには決して
   見せられないような大人な夜を過ごしそして」
真利「まって」
龍吏「?」
真利「所長がその速水もこ●ちのことが大好きだってことはよく分かりましたけど、
   いま垂れ流してたのはただの妄想です。推理でもなんでもありません」
龍吏「誰がKANADE’sキッチンだ。速水奏だ。次に間違えたら目を潰す」
真利「とにかく! しっかりと論理立てて考えていきませんか」
龍吏「むぅ……確かに正論だな。探偵らしくエレガントにいくとするか」
真利「はい(いつも競馬予想という名の推理しかしてないしね)」

■代表的な仮説

 月、手錠、天秤座、明日にならない場所など、意味深なセリフが多く散りばめられています。これまでの奏のセリフなどからある程度想像はつきますが、最も難解なのが〈天秤座〉です。
 天秤座はギリシア神話の女神アストレイアーが持っていた善悪を計る天秤であるとされ、バランス・公平さといった意味があります。かつては秋分点(昼と夜の長さが同じになる日)があったので、昼夜の境目を計る道具とも言われています。

      *      *      *

真利「〈天秤座行きのバス〉を“昼夜の分かれ目、善悪の境界”と捉えた仮説が
   今のところ有力……と」
龍吏「うむ。きっとこれが正解だな」
真利「いやいや。まだ分からないことがいっぱいあるんですが」
真利「まず〈綺麗な月だね〉〈今から関係なくなる〉ってあるけどどういうこと?
   予感のベルや環状線はいいとして、〈アリバイを三度ペンでなぞる〉って?
   〈明日にならない場所〉ってどこ?」
龍吏「せっかちなやつだな。早死するぞ」
龍吏「そのあたりについても代表的な仮説のなかで説明されているから見てみるといい。
   訓練された奏Pなら感覚的に分かると思うがな」

      *      *      *

 とあるブログに載っていた考察では、以下のようになっています(特にリンクは貼りませんので気になった方は「Hotel Moonside 考察」で検索してみて下さい)。

・綺麗な月だね/関係なくなる
 これから月に向かうため、月は見えなくなる。時間も予定も関係ない。明日にもならない。

・アリバイを三度ペンでなぞる/特別な夜のサイン
 なにかしらの契約書にサインしている。おそらくアイドルとしての所属契約。

・天秤座行きのバス
 天秤座は人生の選択を迫る場所であり、そこへ到着する前に途中下車して月へ向かう。

・月の裏側
 アイドルという秘密を抱えた人間の世界。表側はごく普通の人間としての世界。

      *      *      *

真利「なるほどねぇ」
龍吏「どうだ、隅々まで行き届いた考察だろう」
真利「うーん。よく考えられてるとは思いますけど、あたしのとはちょっと違うなあ~」
龍吏「某破天荒検視官みたいなセリフを吐くな。なにが不満なんだ」
真利「これはこれで素敵な解釈だと思います。
   でも天体に思いを乗せた詞であるのなら、ところどころ詰めが甘いのでは」
龍吏「ほぅ。そこまで言うからには私を納得させるだけの説明があるんだろうな。
   なら聞かせてもらおうか」
真利「ええ。まず〈月の裏側〉をアイドルの世界としている点ですが、
   これは前後の歌詞〈Just the two of us〉〈二人きり遊ぼうよ〉と矛盾しています」
龍吏「どういうことだ」
真利「〈月の裏側〉がアイドルの世界だというのなら、そこには他にも沢山のアイドルたちが
   いるはずですよね。二人きりではないはずです。
   加えて、〈明日にならない場所〉という比喩にもふさわしいとは言えません」
龍吏「月は自転周期と公転周期がほぼ同じで、約一ヶ月に一度だけ日の出・日の入りが
   観測できる。毎日太陽が昇ってくる地球とは違うのだから、問題ない表現だと思うが」
真利「確かにそうです。しかし“裏側”という言葉を出している以上、
   “表側”との対比が必要となります。月から太陽を見た場合に関して言えば、
   表側も裏側も大きな差はありません」
龍吏「ふむ……つまり、月に関してはなにか別の解釈が必要ということか。それ以外は?」
真利「はい。〈アリバイ〉〈特別な夜のサイン〉に関しては、片仮名部分の解釈の仕方が
   あたしとは違います。アリバイはラテン語のalius ibi、“他の場所に”に由来する
   言葉ですが、“言い訳”という意味もあります。サインは署名の意ではなく、合図の意です」
龍吏「? ペンでなぞったのは契約書にサインするためじゃないのか」
真利「はあ……これだから所長は女心が分からないロンリーウルフだって
   クライアントに言われるんですよ」
龍吏「その名前ネタはNGだと言ったろう。ウロコにくる」
真利「(どこにウロコが生えてるんだか)」
真利「“ペンでなぞった”のところは昔風の表現でいうところの“のの字を書いた”
   だと思いますよ。気恥ずかしさや照れ、ですね」
龍吏「直前の歌詞〈降りたい この環状線〉との繋がりがイマイチな気がするが」
真利「であれば、探偵小説で使われる意味も含まれているんでしょう。
   普段は使わない路線で、普段は通らない場所を通過した。その道筋をなぞった。
   これから特別な夜が始まる実感を噛み締めた、とか」
龍吏「完全に今夜抱かれる女の心境にしか見えないんだが」
真利「〈天秤座行きのバス〉についても、同様に不自然な部分があります。
   月に向かっているはずなのに、なぜそんなバスに乗るのか。
   そもそもどこから乗ったんでしょう」
龍吏「それは……あれだろ。銀河鉄道的な。たまたまそのバスが月を経由するから」
真利「仮にそうだったとして、天秤座というワードを意味もなく投じるでしょうか。
   善悪・昼夜を司る道具だから、揺れる乙女心、では弱い気がします」
龍吏「むぅ……もっと情報を集めるしかなさそうだな」

■星座について

 天体絡みの謎を解くためには、星座に関する知識が不可欠です。付け焼き刃ですが、Wikipediaで拾った情報でも十分考察は可能です。興味がある方はぜひ各用語を検索して、ご自身で読み解いてみて下さい。新たな発見があるかもしれません。細かく説明するとなると大量の引用文が必要となるので、ここでは自分の言葉で掻い摘んで説明します。

天秤座
 乙女座と蠍座に隣接しています。元は蠍座のはさみであったとも言われています。
 ギリシア神話の女神アストライアーの持っていた天秤との説も。
 かつては秋分点がこの星座にあり、昼夜の長さを計る意味もある。

乙女座
 現在秋分点があるのがこの星座です。
 女神アストライアーとする説と、豊穣の女神デーメーテールおよび
 その娘ペルセポネーとする説があります。

蠍座
 明るい星が多い星座。神話では英雄オリオンを毒針で刺して殺しました。
 中国では青龍にたとえられ、春(現在の暦では夏)の訪れを知らせるものとされています。

蟹座
 黄道十二宮では巨蟹宮という名。居住の座は月。
 星占いの観点では、蟹座の人は感受性が豊かで繊細であるがゆえ、自らの殻に閉じこもりがち。
 その一方、家族を大切にする傾向が強く、パートナーに母のような愛情を求めることも。

      *      *      *

龍吏「秋分点についてはあえて説明しないが、どうだ。なにか分かったか」
真利「乙女座と蠍座はいいとして、蟹座は?」
龍吏「馬鹿か。速水奏の誕生星座に決まっているだろう」
真利「はあ……」
真利「星座といいつつ、神話に関する記述のほうが多いですね」
龍吏「まあ星座と神話は切っても切れない関係だからな。そのあたりも見ていくか」

      *      *      *

アストライアー
 デウスとテミスの娘。ユースティティアやディケーと同一視され、有翼の女性として描かれる。

ペルセポネー
 冥府の神ハデスに無理やり冥界に連れ去られた。
 その後天界に戻ったが、冥界でザクロを口にしたため冥界の住人となってしまい、
 一年のうち四ヶ月を冥界で過ごさなければいけなくなった。この四ヶ月が冬となった。

セイレーン
 ギリシア神話の海の怪物。上半身は人間、下半身は鳥とされていたが、
 中世以降は航海の範囲が広がったことで魚として描かれる。
 語源は「紐で縛る」「干上がる」という意味の Seirazein と言われる。
 一説では、ペルセポネーに仕えていた人間だったが、ハデスによる誘拐事件の影響で
 恋愛を恐れるようになったため、アフロディーテの怒りを買って鳥の姿に変えられたとも。

      *      *      *

龍吏「蒼翼の乙女ではザクロが出てきたし、ヴァニタスにはニケ像が描かれていたな。
   〈紐で縛る〉という語源も実に興味深い」
真利「セイレーンは関係ないのでは」
龍吏「CDのジャケット絵がセイレーンっぽいだろう。ああ、美しい……」
真利「そうですか? あたしにはオバサンっぽい衣装にしk――」
龍吏「せいっ」
真利「う゛っ」
龍吏「永遠の闇に閉ざされし絶望を味わえ」
真利「ただの目潰しじゃないですか。まったく」
真利「でも、これで新たな仮説が浮かびましたよ」
龍吏「……本当か」
真利「ええ。少なくともなぜ天秤座行きのバスだったのかの説明は出来ます」
龍吏「……いいだろう。話してみてくれ」
真利「まず、現在位置を確認しておく必要があります。見落としがちですが重要な要素です」
龍吏「現在位置?」
真利「二人がいまどこにいるのか、そこからどこへ向かうのか、です。
   逃避行ルートとも言えますね」

■奏とPの逃避行ルートから導かれる仮説A

一番
〈Aメロ〉都会。月が見える場所。綺麗な月だね、と言っているところから
〈Bメロ〉どこかの駅(環状線、予感のベル、大都会などから)。都会から離れた場所?

二番
〈Aメロ〉天秤座行きのバス停もしくはバス。まだ月は見えている
〈Bメロ〉最終バスを降りた、もしくは乗らずに見送った。おそらく前者
〈サビ〉星が見える場所。月の裏側

      *      *      *

龍吏「ふむ。で、スタート地点は結局どこなんだ」
真利「天秤座の一つ前の星座、乙女座です」
龍吏「ほぉ」
真利「彼女は歌詞の序盤、乙女座――アストライアー役として描かれています。
   有翼、ザクロ、天秤座との関係からも間違いはないと思います。
   セイレーンの話に絡めて考えると、彼女はなんらかの理由で恋愛を恐れており、
   そこから脱却したいと考えていることが分かります」
龍吏「なるほど。確かに奏自身の話とも繋がっているな。そして、乙女座の次は天秤座だと」
真利「はい。本来はその先の蠍座まで行かなければいけないんでしょうけど、
   歌詞では一旦ここで下車します」
龍吏「だが、それだと月には到達できないんじゃないか? 最終地点は月の裏側なんだろう?」
真利「そこなんです。これは解釈の仕方の問題なんですが、
   最終地点が月の裏側だというのはあくまでも仮説の一つ。あたしは、そうは思いません」
龍吏「違うというのか。じゃあ天秤座が最終地点になるな」
真利「その通りです。そして、月の裏側には到達していない。
   あれはあくまでも彼女の“願望”だと思うんです。二人きりになりたい。愛したい。
   しかし、どんな理由かは分かりませんが願いは叶わない。
   だからあんなにも切なく激しく叫ぶんです」

■仮説Aの問題点

真利「以上が、あたしの立てた仮説です」
龍吏「そうか……」
真利「……納得いかない、って感じですね」
龍吏「いや、そんなことはない。お前の考察はよく出来ている。
   推理の過程も、しっかりと芯が通っていた」
真利「じゃあなんでそんな、後継ぎ問題に頭を悩ます戦国武将みたいな顔をしてるんです?
   捉え方は人それぞれですし、これが正解!というものはないと思いますけど」
龍吏「考察者としては優秀だが、探偵としては失格だということだ」
真利「……?」
龍吏「この際だ。はっきり言っておこう。お前の推理にはWhydunit
   ――つまり動機が欠落している」
真利「ほわいだにっと?」
龍吏「Whodunit(フーダニット)、Howdunit(ハウダニット)、
   Whydunit(ホワイダニット)のことだ。
   推理小説好きなら一度は聞いたことがあるだろう」
真利「知らない。そんなの気にしたことないし」
龍吏「急に馬鹿になるよなお前は」
龍吏「今回の件で言えば、〈どうして彼女は星空に例えて自分の心情を吐露したのか〉が
   足りていないと言っているんだ」
真利「どうしてって……そういうキャラ設定なんじゃないんですか」
龍吏「設定言うな。まあ、それはそれで正解なんだが。ミステリーの解答としては不正解だ」
真利「じゃあ、所長には分かるんですか。彼女の動機」
龍吏「ああ。深く考えることはない。簡単なことだ」
龍吏「奏は、Pと二人で星空を見ていたんだ。天秤座の星空を、とりわけ月に注目しながら」
真利「そりゃそうでしょう。“綺麗な月だね”なんて言ってるわけですし」
龍吏「そうか。じゃあ聞くが、月を見上げながらバスだか電車だかに揺られていた速水奏は、
   銀河バスで天秤座に降り立ち、そこから月を見た。これでいいんだな」
真利「いいもなにも、本人がそう言ってるんだから否定のしようがないような……」
龍吏「分からないか。お前の仮説では曲の序盤で現実世界のことを比喩表現を使って
   描写しているのに対し、後半は完全にファンタジーの世界にすり替わっている。
   あまりにもご都合主義だとは思わないか」
真利「ぐぬぬ」
龍吏「つまりだ。これまでの仮説を尊重するなら、奏はバスのなかでひたすら妄想に
   耽っているということになる。一人で。ロマンもマロンもあったもんじゃない」
真利「隣にはPがいるんじゃ」
龍吏「いるかもしれないが、完全に放置されてるな。そしてまだ問題点はある」
龍吏「〈バイバイ最後のバス〉だ。これは明らかに現実世界でバスを下車した表現になる」
真利「それのどこが問題なんです。妄想のなかで、二人でバスを降りたということでは……?」
龍吏「ああ。解釈としてはそれもアリだ。ただ、さっきも言ったように現実世界のPは完全に
   放置されていることになる。Pが隣にいないとしてもいいが、〈綺麗な月だね〉
   〈永遠にこのままでいい〉と語りかける相手が誰もいないのはさすがに寂しい」
真利「寂しいって……考察というより、所長の願望なんじゃないんですか。それこそご都合主義。
   ……やっぱりシンプルに、全ては彼女の妄想・願望とするのがベストなんじゃ」
龍吏「そうだな……そうかもしれない。
   だが、以下の情報に目を通したうえで仮説の一つとして考えてみてほしい」

■月食に絡めた仮説B

月食
 太陽と月のあいだに地球が割り込むことにより、月に影がかかって見えなくなる現象。
 英語ではlunar eclipseといい、eclipseには“力を失う”という意味がある。
 満月のときに発生し、一部が欠ける部分月食と、全てが欠ける皆既月食がある。
 2014年には4月15日(部分)と10月8日(皆既)の二度、日本で観測された。

      *      *      *

真利「4月15日……? これは、もしかして――」
龍吏「ああ。その時の月食は、まさしく〈天秤座の星空〉で起きていたんだ」
真利「!!」
龍吏「メタの要素が入るのであまりふさわしくない推理かもしれないが、
   歌詞の作者が2014年の月食を元に想像を膨らませた可能性がある。
   軽視されがちだが、この曲のタイトルは〈Hotel Moonside〉。
   月が主役でなければならない」
龍吏「このことから立てられる仮説はこうだ」

・奏とPは、普段行かない場所に二人きりで行こうとしていた。
・特別な夜とは、月食が起きる夜のこと。
 だから道中、何度も満月を見て「綺麗だ」とつぶやいた。
・月の表側はアイドルの活躍する舞台。憧れると同時に、ほんの少しの戸惑いも感じていた。
・バスを降りた場所は、月食がより綺麗に見える都会から離れた静かなところ。
 見上げれば天秤座の星空。
・その場所に留まり、時間が流れ、終バスはなくなった。
・いつもとは違う月を二人で見ながら、奏は星空や月の裏側に想いを馳せた。
・夜の象徴である月が失われている。この瞬間、時は止まっている。明日にならない。
・月の裏側とは、アイドルを休息している自分。本当の自分。
 そこで永遠に、Pと一緒にいられたらと願った。
・月は地球の衛星で、一生離れることはない。まるで、手錠で繋がれているかのように。

龍吏「蒼翼のセリフにもあったな。鏡の中の偶像ではなく、本当の自分を見て欲しいと。
   月の裏表も同じような意味だろう」
真利「……」
龍吏「どうした。あくまでも仮説の一つだぞ」
真利「いえ……所長がそんなロマンチストだったとは知らなくて、驚いちゃって」
真利「あえてツッコミますけど、所長の仮説も脆いところがいくつかありますね。
   〈手を離したらすぐにいなくなる〉や
   〈私だけにそのメロディ 耳元で奏でてよ〉の解釈が曖昧です」
真利「もっと言うと、月食だから明日が来ないなんて、ちょっと強引すぎませんか。
   月が欠けている描写も、歌詞のなかには何もないですし。
   これがミステリーだったらアンフェアもいいとこです」
龍吏「ああ、お前の言う通りだ。私の仮説には穴がある。
   だが、それでいいじゃないか。感じ方、捉え方は人それぞれ。
   作者もここまで深い意味を込めるつもりはなかったかもしれない」
真利「さっきはあたしの仮説にケチつけたくせに」
龍吏「ケチはつけたが否定はしてないだろう。だが、考えてみてくれ」
真利「?」
龍吏「答えのはっきりとしていないミステリー。
   これほど楽しめるオモチャは、世界中どこを探しても見つからない。
   解けない謎っていうのは、人類にとって最高の快楽なんだよ」
真利「……」
真利「まあ、確かに物凄くワクワクしましたけど……」
龍吏「そうかそうか。やっと分かってくれたか。さすが我が助手は優秀だな。
   来週から浮気調査の仕事をこれでもかと増やしてやろう」
真利「いらんわ!」
真利「(ああ……あたしも月の裏側に逃げたい。一人で)」

以上、考察終了。

      *      *      *

■最後に

 ――はい。というわけで、ロンリとシンリのおかげで考察は無事終了しました。我ながら無駄に長ぇ……。なぜ要点を絞って仮説の内容だけ書かなかったのかと言いますと、自分で色々調べていくうちに新たな発見がざっくざくと出てきまして、それはもう考察や想像が膨らむ膨らむ。捗る捗る。この楽しさを皆様にも味わってもらいたいと思いまして、あえて推理の過程まで書かせて頂きました。
 二人のやり取りには出てきませんでしたが、他にもいくつか興味深い情報がありますのでここで紹介しておきます。

ローレライ
 セイレーンと混同されることが多いが、元はブレンターノという詩人の創作であるとのこと。
 絶世の美女だったが、恋人の裏切り(浮気?)に遭って絶望し、
 最後はライン川へと身を投げた。

月宿
 月の通り道である白道を27~28エリアに分割したもの。
 英語ではlunar mansion、lunar station。

・CD特典SR、特訓前のセリフ
 「愛の歌なんて、心外だわ。ふふっ」

 いかがでしたでしょうか。〈Hotel Moonside〉をそのまま訳すと“滞在場所 月の側面(裏側)”となりますが、自分は月宿という言葉にもロマンを感じました。
 特訓前のセリフはこの曲が愛を語るものではないという、ある意味正解の一部を提示しています。そう考えると一番はじめに紹介した、とある方が立てられた仮説“アイドルとして生きていく決意と葛藤”が正解に近いのかもしれません。
 ローレライに関してはセイレーンを調べる際に検索に引っかかっただけなのですが、語られる悲劇が奏の過去とリンクしていたら面白いな、と。このあたりをネタにしてとんでもない作品が書けそうな予感。やばい。創作意欲が湯水のように。全然掬えてないけど。

 では、最後に一つ。仮説はあくまでも仮説です。正解なんてどこにもありませんし、他の考察を否定するものでもありません。↑でロンリが言っているように、知的探究心を満たすための遊びにすぎません。
 それでも、この考察を読んで下さった方が歌詞の意味について興味を持ち、ご自身の仮説を立ててくれたのなら。同じ奏Pとして心から嬉しく思います。

 ――貴方の望む速水奏の姿を、星空に描いて――

 ご清聴ありがとうございました。



■追記
 まだ書き忘れていたことがあったので追記。考察では触れなかった部分についても、自分なりの見解を。

・「手錠の鍵が二人を繋ぐまで 君のこと知りたいの」
 月食と絡めて考えれば、これは月食が終わって再び月が空に輝くまでのあいだ、
 という意味かと。その時はまたいつも通り、素の自分ではなくアイドル速水奏として
 舞台に上がらなければならない。そんな思い。

・「流れ星を捕まえてこの足に縛ってよ」
 あなたの望む私に、的な。
 自分の願いはもう何もないから、貴方がその願いを見つけて私に与えて、みたいな。

・CD特典SRのセリフ「夜更かしはNGなの」
 マイスタジオで表示されるセリフです。冷静に考えれば未成年が男と二人きりで
 夜を明かすなんて、全年齢向けゲームとしてはNGですよね。
 月食自体は20時前後に観測できるのでOK。終バスは大体21~22時ぐらいなので、
 そのあとタクシーで即帰宅したと考えればまあ、セーフなのかな。

・ちなみに、2014年以前に月食が観測されたのは2012年6月。
 次に日本で見られるのは2015年4月4日で、皆既月食です。
 完全に見えなくなってから約13分間継続するらしい。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 034速水奏THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 034速水奏
(2015/02/04)
歌、トーク:速水奏(CV:飯田友子)

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